(岩波文庫 和辻哲郎の古寺巡礼)


奈良県は他の県とは違うイメージがある。

私が関東で生まれ育った為かもしれない。


「古寺巡礼」で奈良が持つ独自の雰囲気に憧れをもつようになり、

そして、いつしか奈良に住むようになっていた。


奈良は、良いところだ。

一応、観光地ではあるが、人に媚びるところがない。

来る人は拒まず受け入れてくれるやさしさがある。

当尾の里と言われる、浄瑠璃寺、岩船時は特に良い。

鎌倉の報国寺、杉本寺に印象が非常によく似ている。

心が落ち着く。

そして、今の自分を客観視できるようにしてくれる。


(静かに悠久の時間を刻み続ける薬師寺東院堂の聖観音)


奈良は、観光化を目指すべきではない。

日本人の心のふるさとなのだから、

ふるさとは何十年経っても子供の時のまま変わってほしくない。

山があり、川があり、草の匂いがする、それがふるさとではないのか。

東大寺への地下歩道は失敗であった。景観の破壊である。

石舞台の周りもアスファルトの道が増えてきた。

当麻寺の境内の噴水も破壊である。

昔がある、それが古都の魅力ではないのか。

もうすこし、考えてほしい、

奈良に来る人は、何を求めて奈良に来ているかを。

そして

”滅びの美 ”の原点に返るべきである。

2002.9.5

リンク

旧邸宅(川喜多記念館内)
入江泰吉記念奈良市写真美術館

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付録 : 鎌倉 埼玉県民の鎌倉検定


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