コ ラ ム



・あなたは「オフセットインキと同じ発色のグラビアインキがあったらいいのに」と思ったことありませんか


・グラビアのドットゲインを解説するサイトは何故?どこにもないのか?


・グラビア用 Japan Colorの設定委員会はなぜできない ?


・オフセット製版の常識をくつがえすグラビア印刷のカラーチャート版?2-2



・FMスクリーンは本当にグラビア印刷で実用になる技術なのか?現場的素朴な疑問  


コンテンツ
はじめに
トーンリプロダクション
O/G変換
icc profile のグラビア的利用
プロ用製版スキャナー
仕事に役立つ 視覚の法則
版の精度とは何か?
グラビア版の値段 
グラビア製版エキスパート試験
今後まとめようと思う項目
更新履歴  サイト作成
DTPエキスパート認証試験
独学受験必勝法
my personal affair

DTPに役に立つリンク集


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グラビア印刷のドットゲイン


グラビア印刷のどっとゲインを解説するサイトは
なぜどこにも無いのか?


印刷時にセットされたは、幅方向全体にインキが付着するようインキパン(ステンレスの大きな四角い皿状のバット)のインキの池に浸される。インキに直接接しているのは版の下部だけだが、回転しているので直ぐさま版表面をインキが占領する。その占領作戦に打ち勝つ為に、原反(紙やフィルム)にインキ部隊が到着する前に長い包丁状の金属(ドクター)を版にあてがい、上に登ってくるインキをインキの池にかき落としてしまう。これでインキは一掃されるはずだが、塹壕のような窪み(セル)に残ったインキは負けじとゲリラ作戦に持ち込もうとする。
そこで、印刷機軍はそうはさせじと、すぐさま圧着作戦を敢行する。つまり、版に圧胴をあてがい圧力で塹壕からインキ隊員を追い出す作戦である。たまらず塹壕の外に出てくるインキ隊員たちは印刷機軍の圧胴隊の捕虜になるかと思われたが、間一髪、進駐してきた平和維持軍の原反部隊に保護され、残された余生をスーパーマーケットの棚で送るのであった。
ちょっとくだらない説明で申し訳有りませんでした。グラビア印刷を見たこと無い人にはわかりやすいのと思ったんですが?え?かえって混乱したって?やっぱ話に無理があったかな?!


さて、これだけの柔軟な作業をこなす為には、インキに充分な流動性が必要で、グラビアインキは見た目にもしゃぼしゃぼの液体です。
その為、インキが原反(フィルムや紙)につくと、水をこぼしたように広がります。このすさまじい物理的ドットゲインは、オフセットの概念の20%ぐらいのドットゲインとは比較にならないほど大きく思えてグラビアではドットゲインの概念を導入するのはとても無理に思えてきます。
そのショックのせいか?、グラビアのドットゲインを解説するサイトはどこにもない。私が探し足りないのではない、無いのだ。文献もない。

確かに、グラビア印刷は物理的ドットゲインが大きすぎる。しかし、仮にグラビアで版上の50%が、印刷後には75%になってしまったとしても結果的に75%であることには変わり無い、要は最初に決めた
おもわく通りの%になったかどうかを確認する手段ドットゲインによる管理であって版式には関係ない。なので、ドットゲイン管理をグラビアに取り入れてもなんら問題はないはずである。(ただし、通常のドットゲインの説明では説明しきれない)
グラビアのドットゲイン無理無駄派は、「濃度で管理しても結局は同じである」「RGBフィルターの一つだけの濃度だけでは片手落ち」の主張で(それももっともです)しかし、ドットゲインという概念でグラフ化すると、調子がフラットかコントラストが一目瞭然でわかり易いのも確かです。

話は変わりますが、今、分光光度計の価格も安くなってきているので、ドットゲインや色を数値化することがコンシュマーレベルになってきました。

なぜかしら、グラビア印刷では版に管理用のパッチをつける習慣がありませんが、手始めに、こんなところから日々の製品管理をはじめてはいかがでしょう?5ミリ四方の
50%ベタがあれば、ドットゲインはわかります。このくらいならアクセサリーエリアに付けられるはずです。
データーベース化していけば、定期的に行う印刷を毎回同じよう行うのに、必ず役にたつはずです。
管理用のパッチを付けておけば印刷不良の時、版が悪いか、印刷か、インキか、の調べが非常に楽です。言い逃れもできません。絵柄をみて「あーでもない、こーでもない」と責任をウヤムヤするいう仕事から早く脱却したいものです。

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ではこれから以下の項目について解説をしていきたいと思います。
ドットゲインの補足知識
・印刷物の網点の濃度を計れば網%もわかる
・彫刻カーブはドットゲインの補正のためにある
・ドットゲインという概念はグラビア印刷でも使える
・グラビアの50%のドットゲインは30%〜40%あるのが普通である
・粘度16秒用の彫刻カーブと12秒の彫刻カーブは変えないとダメ
・ドットゲイン管理の肝は、印刷中に粘度を変化させないことにある
・木をみて森を見ず、icc profile偏重だと森が見えない
などのタイトルを考えてます。

また、暇をみて書きます。

管理用のパッチをつけると、印刷の不良原因がどこまでわかるのか」という内容は「オフセット製版の常識をくつがえすグラビア印刷のカラーチャート版」のコラムで書くことにしています。


            

                         2007.3.9