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コンテンツ
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DTPエキスパート認証試験
独学受験必勝法
my personal affair

DTPに役に立つリンク集

プロ用製版スキャナーについて

第1章 製版用スキャナーとデザイナー用スキャナーはどう違うか
第2章 スキャナーはグレーをどうやって判断しているか
第3章 カラーコレクションの本来の目的は色修正ではない
第4章 シャープ性と調子再現の密接な関係
第5章 期待色を基本にした色分解

第1章

製版用スキャナーとデザイナー用スキャナーはどう違うか


ただ漠然とに仕上がった印刷物やプリントを見比べても、あんまり差はないです。
しかしある条件をつけると話は違います。その条件とは「この見本と同じに瓜二つのものを作ってくれ」とカラー写真のある色見本を提示された時です。
製版用スキャナーはこの要求に答えられる機能があります。しかし、スキャナーの機能を知り尽くしている人が、どの機能をどの量つかえば見本のようになるかを見抜けなければ宝の持ち腐れです。つまり、使う人を選ぶということです。
熟練オペレーターは色分解する前に、その写真を見ただけで黄版はこう、赤版はこう、藍版はこう、墨版はこういう調子になっているはずだ、というイメージがあらかじめできあがっています。黄赤藍墨と頭の中で分版できる能力のある人をプロの製版スキャナーオペレータと呼ぶと言ってもいいでしょう。ですので製版用スキャナーはそれに応えられるマニアックなインターフェイスを備えていなければなりません。
これが製版用かデザイナー用かの一番大きな差といえます。
デザイナーの仕事は製版のように正確に真似するという工業的作業は必要ありません、逆に唯一無二の新しいものを生み出すクリエイティブな作業です。クリエイティブな作業の方が、工業製品の標準作業を探ることより苦しい仕事であることをわれわれは再認識すべきでしょう。(ちょっと話が横道にそれました)

余談ですが、


私は仕事柄、スキャナーを新型にする機会が何度かありました。一千万円ぐらいの買い物ですので慎重に選ばなくてはいけません。そんななかで、この質問をすれば、それが製版用かデザイナー用かわかることに気がつきました。それは、
「色見本があった場合どうゆうふうに色を合わせていくんですか?」と
聞いてみるんです。
「それは無理ですと」すぐ降参するメーカーが結構多かったです。(私がしつこく聞いたせいもあるでしょうね)
トパーズというスキャナーがそうでした。当時ヘルには自他ともに認める最高峰のDC3900という製版用のスキャナーがありましたからそちらを勧められました。でも3000万円以上したように思います。いいのはわかるんですけどね。私もできることならDC3900使って冥土のみやげ話にしたかったです。

さらに追加の話ですが、

製版用スキャナーがRGBでもLCHでもない黄赤藍墨にこだわる理由ですが、印刷後の調子不良のやり直しのとき、Rの修正をしていたら黄版と赤版直さない行けないし、Lの修正にいたっては4版やりかえないといけない。ストレートに黄赤藍墨で最初から考えたほうが現場的だからです。やり直しは極力は安く早く終わらせなくてはなりません。グラビア用の編集ソフトのアートワーカーも最初に版の色を決めなくては作業が始まらないじゃないですか、イラレのような万能さは必要ありません。製版用のスキャナーは版を売る商売用に作られていることが重要なのです。
                   
                          2006.10.16 

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