コ ラ ム



・あなたは「オフセットインキと同じ発色のグラビアインキがあったらいいのに」と思ったことありませんか


・グラビアのドットゲインを解説するサイトは何故?どこにもないのか?


・グラビア用 Japan Colorの設定委員会はなぜできない ?


・オフセット製版の常識をくつがえすグラビア印刷のカラーチャート版?2-2



・FMスクリーンは本当にグラビア印刷で実用になる技術なのか?現場的素朴な疑問  


コンテンツ
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グラビア版の値段 
グラビア製版エキスパート試験
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更新履歴  サイト作成
DTPエキスパート認証試験
独学受験必勝法
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DTPに役に立つリンク集


はじめに今後追加項目>ArtPro


ArtPro(アートワーカー・シンクプロ・ヘリオコム)


ArtProという編集ソフトが Machintoshで使えるようにならなければ、中小のグラビア印刷メーカーが自分の工場で製版を内製化するすることはできなかったはずです。
その点で、このソフトは印刷機材の歴史に残るソフトと言えるでしょう。

ソフトと一体化した専用のワークステーション(CEPS)がなければできなかったことを「汎用コンピュターでもできるようにした」功績は偉大です。
しかし、それまでの手作業での熟練者にとってはリストラの脅威にさらされた憎っくきソフトでもあります。コンピュター化がもたらした陰の部分もグラビア製版の歴史に留めておきたいところです。
さて、
アドビのイラストレーターとどう違うのか?
ソフトを販売しているメーカーに行って普段の仕事を一通りやれば、どう違うか?が分かると思いますが、なにせ2〜3百万円するので、1日使わせてくれとは言い難いでしょうね。 
グラビア製版の入稿データはほとんどがイラストレーターでつくってEPSで保存されたデータです。現場では、そのPSデータを中身も見ずアートワーカーで開いて作業をはじめるのが普通です。今はPDFになってるかもしれませんが中身を見ないでアートワーカーで開く作業方は変わらないと思います。
なので、グラビアの製版の編集やってる人はあまりイラストレーターに詳しくない人が多いです。わたしも例にもれず、イラストレーターのほうが難しいと感じる一人です。
印刷用に特化されたソフトと言われていますが、おそらく、立体成型する為の特殊な面付けが必要ないのならイラレでも同様のことができると思います。4台買って一千万円の投資をする前に、製版経験豊富なイラレの使い手を研修に行かせて、ほんとに特殊な機能が必要かどうか?を慎重に決めるべきと思います。
たとえば、「自動逃げ処理」と言う機能です(イラレなら「自動トラッピング」という名前になるでしょう)。ボタン一つですべてのオブジェクトのトラッピングをやってのける機能です。確かに見ていると指定した幅で、ちゃんと薄い色がスプレッドしていて、「さすがにすごい!」と感心して見入ってしまいます。
しかし、しかしです。アンケートでもとればわかると思いますが「あれ使ってますか?」。手動でやってる人のが多いのではないでしょうか。逃げ処理には色彩感覚的なスキルが必要で、逃げなど作らず毛抜きの方がズレても分かりにくいこともあります、どうやれば見た目に違和感のない逃げに見えるかを見抜くのはコンピュターには、まだ無理です。(あれ使ってますか?からの話はあくまでも私の経験値です)。
また、バージョンアップの度に、数十万円払うことになるので、維持費もばかになりません。この際、安易に専用ソフトに頼らず、イラレとプラグインソフトなどで作業法を確立して、デザイナーや同業他社をびっくりさせるのも御社のステイタス(宣伝)になるのではないでしょうか。
すくなくとも合掌や三方シールだけならadobeのイラストレーターで充分というのが今の私の結論です。

はじめに戻りますが、どんなソフトか知りたいという人の為の情報です。
あまり知られていませんが、実はこのArtProのデモ版は昔あったんです。
10年以上前です、しかし、Quicktime movieのように見るだけで作業はできません。カーソルが自動的に動いて、自分が作業しているような感じで淡々と進んで行く5分ぐらいのものです。PowerMac9500のデモソフト全集の中だったと思います。見逃した人も多いと思います。もし、古いMacの空箱が、まだ、倉庫にあるようでしたら箱を開けて、このCDを探してみて下さい。こんな外観のCDです

demo

このデモ版をアップしようかな?と思案中ですが、たぶん著作権が・・。

話変わりますが、この章でイラレとの違いを書きたいんですが、数年前の知識しかなく、最新のバージョンの状況がわからないので、ちょっと書くの気が引けてます、違いをひとつだけ。
たとえば四角形などの枠の線の幅の指定です。ThinkProでは線もひとつのオブジェクトとして扱いますが、イラレは四角形の付属品のようになっています。イラレは視覚的イメージ重視なのでこういう仕様なんだと思いますが、これでは逃げ処理が?製版用に使いにくい理由はここにあるのかもしれません。が、イラレの使い方か、イラレのプラグインソフトで解決するのかもしれません。

参考リンク
: Esko の ArtPro(日本語)
: イラレをartworker化するソフト その1 Desk pack(trial版)  
デモ動画がたくさんあります)
: イラレをartworker化するソフト その2 Founder Pack
: イラレをartworker化するソフト その3 Pack#(パックシャープ)
: 古籏一浩さんのAdobe Illustratorプラグイン一覧 
: コムネット(株)イラレのプラグインソフト開発
入出力画面(私が使っていた旧バージョンの画面です)
 
あと、余談ですが、adobe readerのような見るだけのソフトも本物のソフトにはおまけとして付属で付いています。これはドングル無しで動きますので、それを馴染みの製版屋さんから借りてデータもいっしょに借りれば自分のマックでシンクプロのデータそのものを見ることができます。しかし、おいそれと製版屋さんがデータを貸してくれると思えませんが貸し出し可能なデータを聞いてみるのもいいかもしれません。アウトライン表示で見ると、その作業の緻密さに驚くと思います。
また、同様にプリントするだけのソフトも付いていて、これもドングルなしで動きますが、プリントするにはPSプリンターが必要です。
アートワーカー・シンクプロ・ヘリオコムのデータはバージョンがいっしょなら完全に互換です。元がArtProなので、同じ時期に同じようにバージョンが上がります。
3種のうちの、どれにするかは、値段もさることながらアフターフォローも重要です。
シンクさんでは、昔、ThinkProをこれから買う人の為に1週間の講習があり最後のみきわめ実技試験に合格しないとドングルがもらえないということで、悲痛な気持ちでシンクの本社に毎日通った記憶があります。当時はどっちが客だか?わからない!!と憤慨したこともありましたが、ここでの勉強はためになりました。それに、結構、何年経っても仕事中に分からないことがでてくるものなので講習で教えてくれた先生と仲良くしておくといいと思います。

イラレみたいにネット上に使い方の相談室やブログが無いのもソフトを選ぶ立場としてとしてはつらいところです。”価格COM ”にも載らないので価格の相場もわからないし。

「誰にでもわかる アートワーカーの使い方」が紀伊国屋書店に並ぶ日が待ちどうしいです。(笑)

 リンク: ArtPro(ラベルおよびパッケージ製版用高機能エディター)英語バージョンは解説movieが見れます
                 
                       2006.6.1初稿

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